事業内容

蛍石の輸出と鉱物資源開発

モンゴルの蛍石を日本へ紹介

モンゴルは、中国とメキシコに次ぐ世界第3位の蛍石生産国で、埋蔵量もメキシコ、中国、南アフリカに次いで世界第4位。モンゴル政府は2018年より蛍石産業を国の持続可能な発展を支える産業と位置づけ、蛍石の生産・輸出の促進計画(蛍石計画)を推進しています。

デルゲルハーン鉱山を購入する決め手となったのは、旧ソ連が採掘をしていた実績があること。2022年にドイツの鉱山会社に依頼した調査、試掘も無事完了し、「十分鉱脈があり、非常に質のいい蛍石が採れる」との結果を得ています。モンゴルが誇るベルヒデルゲルハーン(Berkh Delgerkhaan)鉱山の蛍石を日本に紹介できる日は間もなく参ります。

蛍石とはどのような鉱石か?

蛍石

古くから金属精錬用の溶剤、各種フッ素化合物の原料、ガラスの製造・加工には欠かせない材料であるほか、パソコン、スマートフォンなどのエレクトロニクス機器、半導体製造などには必須の要素材料です。近年では電気自動車に使われるリチウムイオン電池の製造など、さまざまな産業で使用されており、世界でも注目されている重要な鉱物資源です。

用途の一例

  • ・鉄鋼やアルミニウムの精錬、ガラスなどの製造・加工
  • ・化学工業の基幹要素であるフッ化水素酸(フッ酸)の原料、プラスチックなどの有機化学品の製造
  • ・冷蔵庫やエアコン用の冷媒、ウレタンなどの発泡剤の製造
  • ・LANケーブル、光ファイバー、携帯電話アンテナリード線などの電子部品の製造
  • ・半導体、リチウムイオン電池などのエレクトロニクスの基幹部品製造
  • ・医薬品、農薬などの薬品製造

和陽の強み

良質な資源

蛍石は天然鉱物の一種で、モンゴルは、中国、メキシコに次いで世界3位のシェアを誇っています。主成分は化学工業に欠かせないフッ化水素の原料であるフッ化カルシウム(CaF2)。蛍石は純度97%以上の「アシッドグレード」と97%未満の「メタラジカルグレード」の2種類に大別され、フッ化水素をつくるには、前者の純度が高い蛍石でなくてはなりません。WAYO-FLUORITE LLCが所有するデルゲルハーン(Delgerkhaan)鉱山はこの「アシッドグレード」の良質な蛍石の埋蔵量が豊富で、輸出先を日本に限らず、世界に拡大していく予定です。

蛍石

独自のルートで安定供給

広い国土の地下深く、潤沢な鉱物資源が埋蔵されているモンゴル。株式会社和陽代表取締役会長の服部純一は、友好国モンゴルの資源を輸入することが、資源に乏しい日本にとって重要と考え、同地で鉱山開発事業に着手しました。モンゴルの資源開発における最大の弱点は、海に面していないため、自国から直接海外へ輸出できないこと。和陽グループは地政学をもとに独自のルートを開拓することで、この弱点を克服。世界情勢の変化に左右されることなく、良質の蛍石を安定供給いたします。

モンゴルの輸送列車

鉱山の再開発は町を活性化

デルゲルハーン鉱山のある町、ベルヒは鉱山とともに発展し、最盛期には1万人もの人が暮らしていたといわれていますが、ソ連崩壊とともに鉱山が閉山すると町はさびれ、一時は存亡の危機に直面しました。この度、株式会社和陽及びグループ会社は鉱山の再開発にあたり、モンゴル人従業員用の寮やホテル・レストラン施設などの整備もスタート。ベルヒの町が属するヘンティー県の知事はこのプロジェクトに大きな期待を寄せており、「鉱山と観光で町を発展させていきたい」と話しています。

ベルヒの風景

待ち望まれている雇用の創出

かつてベルヒ町の繁栄を支えたデルゲルハーン(Delgerkhaan)鉱山でしたが、所有していたソ連の会社が、ソ連崩壊を前に撤退。鉱山の閉山とともに多くの失業者が生まれ、町は活気を失い、過疎化が進みました。そうした歴史もあり、30年程の時を経て鉱山が再開されることを、町の人々は心待ちにしています。長く社会主義国だった背景もあり、貴重な資源をビジネスに結びつけることが得意ではないモンゴルの人々と力を合わせ、鉱山開発事業を軌道にのせ、雇用を創出。正当な報酬を支払うことで、町を立て直すところまでが、私たちの使命だと考えています。

従業員寮になる予定の建物
*従業員寮になる予定の建物。ドラマ『VIVANT』では孤児院として登場しました

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